オーデマ・ピゲ ロイヤルオーク エクストラシン 15202ST デザインの力強さは素晴らしいが、実用性には少しマイナスポイントが・・・
オーデマ・ピゲ ロイヤルオーク エクストラシン 15202ST デザインの力強さは素晴らしいが、実用性には少しマイナスポイントが・・・
さて、今回の「時紡ぎ」はオーデマ・ピゲ ロイヤルオーク エクストラシン 15202STです!!
ロイヤル・オーク1stの血統を継承したこのモデルは、オリジナルモデルでジェンタ氏が頭の中に思い描いたデザインをほぼ忠実に再現したモデルです。
(上の画像は初代ロイヤル・オーク5402STです)
薄型、2針、そして研磨処理によって再現された立体感など、その特徴をきっちりと踏襲しており、そして細部の仕上げなどは現代スタンダードへとアップグレードされています。
究極の雲上ステンレス、15202STを実際に使用してみた感触はどうでしょうか?
一応、マットに近い質感の文字盤なのですが、視認性に関してはパテック・フィリップのノーチラスと比べるとはるかに劣ります。
文字盤と風防の間隔が狭く、光の反射はある程度抑えられているはずなのですが、風防のクリスタルが結構豪快に光をはね返しします。
あるネットの情報では無反射コーティングが採用されているのではという記述がありましたが、おそらく施されているとしても風防の裏面だけ、反射抑制にはあまり役立っていない印象です。
暗所での視認性に関しては、一応針とインデックスに夜光塗料が施されていますが、やはり力が弱いムーブメントに合わせて細い針を採用、それを無理やり広げて夜光塗料を載せたからか針の太さにも限界があり、暗闇の中で細くうっすらと光っている程度・・・
まあ、見えないことはないですが、とても良好とは言えません。
インデックスも針のデザインに合わせて細いので、これまたうっすらと見える程度です。
視認性に関してはノーチラスに劣ると言わざるを得ません。
ただ、素晴らしいのが自動巻ムーブメントを載せていながらもこの薄さ・・・ゼンマイを巻き上げる半円形のおもりであるローターをムーブメントの上にかぶせておきながらも、厚さ8.1mmというのは驚異ですね。
この薄さのおかげで・・・
見た目の角ばったシェイプほどは着け心地が悪くない・・・むしろ良好な部類に入るのは本当に素晴らしいと思います。
ただ、やはりブレスレットがシェイプ的に角ばっているため、その着け心地には「荒さ」を感じます。
可動部にはきっちりと仕上げが施されていて、ブレスレットの動き自体は滑らかなものの、エッジが角ばっており、それがまるで打ち出したコンクリートを腕に巻いているかのような荒い感触を伝えてきます。
メジャー・ラインの15300STや15400STと比べると、まだまろやかな着け心地なのですが、この装着感においても実用重視のパテック・フィリップノーチラスの方が優れていると思えます。